新刊『[増補新版]抵抗者たち 反ナチス運動の記録』
【新刊の時間】 20歳のころ、本書を読んで自分も抵抗者のひとりとして生きたいと思いました。
「ファシズムに抵抗するということは、敗北を運命づけられている少数者の闘いを開始するということである」
「解放と革命が成就されたときに新しい人間が生まれるのではない。そのときに新しい人間の可能性が生まれるのでもない。解放と革命に向かう闘争のなかでこそ、人間は自らを変えるのだ。そしてこの自己変革のあり方が、未来の解放と革命の鋳型となるのである」
こうしたことばに、バブル時代を拗ねた目でにらんでいたネクラな大学生は、その後に社会との関わりを結んでいくうえで、とても勇気づけられたのでした。それがいまでは抵抗者どころかぼんやりした編集者ですが……。
しかし精神は不変だと思っています。そしてそれほど影響を受けた本を自分で復刊することになろうとは、当時は夢にも思っていませんでした。
全文をリマスターして、池田さん渾身の書きおろし50ページを追補した、まったく新しいできばえになりました。本書は「ナチス研究」ではなく、「反ナチス研究」であり、その先駆的な業績だということを強調しておきたいと思います。幸か不幸か、時代が本書の模倣をはじめました。こんな時代に抵抗者として生きるうえでも必読です。ぜひお読みください。
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池田浩士(いけだ・ひろし)
[増補新版] 抵抗者たち――反ナチス運動の記録
四六判並製344ページ/2500円+税
978-4-907986-39-1
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